仏壇の飾り方と仏具
本尊の種類
自分の宗派を調べる
はじめて仏壇を購入するとき、自分がどの宗派なのかを調べてからにしましょう。仏壇に安置する本尊や脇仏などが宗派によって違うからです。
宗派調べは自分のルーツを調べるようなものです。両親が亡くなった場合、まずは父方の実家、あるいは親戚に聞きましょう。父方の実家に誰も親戚がいない場合は、お寺に聞くことになるかもしれません。
実家の宗派にこだわらず、自分が信じる宗派に決めることもできます。また、法事やお墓参りなどに便利に、と自分の家の近くの寺を菩提寺と決める人もいます。菩提寺とは、一家が代々信仰し、葬式や法事などを営むお寺のことです。
菩提寺を選ぶときは、宗派が納得できるお寺であることが大切です。菩提寺の宗派が自分の宗派となるのですから。
本尊とは
仏壇のなかには仏像が安置されていることは知っていても、本尊が宗派によって違っていることまでは知らない方が多いです。
本尊とは信仰の中心として祀られている仏像や曼荼羅(まんだら)のことです。
本尊は宗派によってそれぞれ異なりますので、菩提寺の宗派に合わせて選びます。本尊が宗派ごとに異なるのは、各宗派により教義や仏教の理想の求め方が違うからです。
本尊の形式には、お姿のある仏像と、絵像の掛軸があり、寸法は、仏壇内部の大きさに合わせて選びます。仏像には、木彫仏像や鋳造仏像などがあります。
本尊は菩提寺を通して本山からいただく場合もありますが、一般には仏壇店から購入し、菩提寺の住職に魂入れ(たましいいれ)をしていただきます。
本尊は、仏壇の中心である須弥壇(しゅみだん)の上に安置します。より丁寧にまつるには、その両脇に脇掛(わきがけ)という、宗派で定めている祖師像などの掛軸を安置します。
掛軸は仏壇の裏板に鋲で留めるか、掛軸台にかけて安置します。
本尊の種類
本尊は仏壇の中心に安置される仏像(仏像だけではなく、掛軸をかける場合もあります)、あるいは曼荼羅です。安置する仏像は宗派によって異なります。
宗派 | 本尊 | 脇掛 | |
---|---|---|---|
右 | 左 | ||
天台宗 (てんだいしゅう) |
阿弥陀如来 (あみだにょらい) |
天台大師 (てんだいだいし) |
伝教大師 (でんぎょうだいし) |
真言宗 (しんごんしゅう) |
大日如来 (だいにちにょらい) |
弘法大師 (こうぼうだいし) |
不動明王 (ふどうみょうおう) |
浄土宗 (じょうどしゅう) |
阿弥陀如来 (あみだにょらい) |
善導大師 (ぜんどうだいし) |
法然上人 (ほうねんしょうにん) |
浄土真宗本願寺派 (じょうどしんしゅうほんがんじは) |
阿弥陀如来 (あみだにょらい) |
親鸞聖人 (しんらんしょうにん) |
蓮如上人 (れんにょしょうにん) |
真宗大谷派 (しんしゅうおおたには) |
阿弥陀如来 (あみだにょらい) |
十字名号 (じゅうじみょうごう) |
九字名号 (くじみょうごう) |
臨済宗 (りんざいしゅう) |
釈迦如来 (しゃかにょらい) |
※脇掛は各派によって異なります | |
曹洞宗 (そうとうしゅう) |
釈迦如来 (しゃかにょらい) |
承陽大師 (しょうようだいし (道元(どうげん))) |
常済大師 (じょうさいだいし (瑩山(けいざん))) |
日蓮宗 (にちれんしゅう) |
曼荼羅 (まんだら) |
鬼子母神 (きしぼじん) |
大黒天 (だいこくてん) |
木彫仏像
- 釈迦如来(曹洞宗・臨済宗)
- 大日如来(真言宗)
- 座阿弥陀如来(天台宗)
- 舟阿弥陀如来(浄土宗)
掛軸
- 釈迦如来(曹洞宗・臨済宗)
- 大日如来(真言宗)
- 座阿弥陀如来(天台宗)
- 舟阿弥陀如来(浄土宗)
- 東阿弥陀如来(真宗大谷派)
- 西阿弥陀如来(浄土真宗本願寺派)
- 曼荼羅(日蓮宗)
脇掛
- 伝教大師/天台大師(天台宗の脇掛)
- 不動明王/弘法大師(真言宗の脇掛)
- 法然上人/善導大師(浄土宗の脇掛)
- 蓮如上人/親鸞聖人(浄土真宗本願寺派の脇掛)
- 九字名号/十字名号(真宗大谷派の脇掛)
- 常済大師(瑩山)/
承陽大師(道元)(曹洞宗の脇掛)
- 大黒天/鬼子母神(日蓮宗の脇掛)