信頼と安心のための仏壇業界の取り組み
仏壇の表示に関する公正競争規約
仏壇業界は消費者が安心して購入できるよう、仏壇の品質や産地について明確な表示をする制度の確立を目指しております。
仏壇の表示に関する公正競争規約、仏壇の表示に関する公正競争規約施行規則を制定し、平成24年4月12日に消費者庁及び公正取引委員会から認定・承認されました。
平成24年5月16日に仏壇公正取引協議会の設立総会が開催され、公正取引委員会と消費者庁からの仏壇公正競争規約の認定証が授与されました。
第1章 総則
(目的)
第1条 この公正競争規約は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第11条第1項の規定に基づき、仏壇の取引について行う表示に関する事項を定めることにより、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保することを目的とする。
(表示の基本)
第2条 前条の目的を達成するため、事業者は、次の各号に掲げる事項を基本として、表示を行うものとする。
(1) 事業者は、情報を公正かつ十分に開示して、一般消費者の正しい商品選択と商品の安定した使用が確保されるように努めなければならない。
(2) 仏壇は、消費者が長年にわたり精神の充足を求めるために使用するものであり、製造工程における技法や材料によって価値が大きく異なることから、一般消費者に過度の期待を抱かせるような広告その他の表示は厳に戒めなければならない。
(定義)
第3条 この規約において「仏壇」とは、一般消費者の用に供されるもので、仏像や位牌等を安置して礼拝するためのものであって、仏壇の表示に関する公正競争規約施行規則(以下「施行規則」という。)において規定する金仏壇、唐木仏壇及びその他の仏壇をいう。
2 この規約において「事業者」とは、仏壇を製造し又は輸入して販売する事業者(以下「製造業者等」という。)及び仏壇を販売する事業者(製造業者等を除く。以下「販売業者」という。)をいう。
3 この規約において「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する仏壇の取引に関する事項について行う広告その他の表示であって、次の各号に掲げるものをいう。
(1) 商品による広告その他の表示及びこれに添付した物による広告その他の表示
(2) 見本、チラシ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告その他の表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告その他の表示(電話によるものを含む。)
(3) ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーンその他これらに類似する物による広告及び陳列物又は 実演による広告
(4) 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)、映写、演劇又は電光による広告
(5) 情報処理の用に供する機器による広告その他の表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)
4 この規約において「カタログ」とは、一般消費者が仏壇を購入するに際して選択の参考となる仕様、特徴等を記載した印刷物をいう。
5 この規約において「取扱説明書」とは、事業者が自己の販売する仏壇に添付して一般消費者に提供する印刷物であって、仏壇を適切に使用し保管するために必要な事項を記載したものをいう。
6 この規約において「保証書」とは、事業者が自己の販売する仏壇に添付して一般消費者に提供する印刷物であって、自己の販売する仏壇について、一定の条件の下に、一定期間内に発生した不具合に対して、主として無料修理する旨を記載したものをいう。
第2章 仏壇の表示
(店頭等における必要表示事項等)
第4条 事業者は、一般消費者に直接販売するため店頭又は展示場等に展示する仏壇には、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる仏壇の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を外部から見やすい場所に邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) 金仏壇 次に掲げる事項
ア 商品名
イ 木地主材料
ウ 正面表面仕上げ
エ 主な金箔粉等
オ 原産国
カ 外形寸法
キ 販売価格
(2) 唐木仏壇 次に掲げる事項
ア 商品名
イ 正面表面材
ウ 主芯材
エ 表面仕上げ
オ 原産国
カ 外形寸法
キ 販売価格
(3) その他の仏壇 当該仏壇の特性に応じ、前二号のいずれかの規定を準用する。
2 事業者は、一般消費者に直接販売する場合は、当該消費者に前項の表示事項を記載した書類を交付するものとする。
3 訪問販売、通信販売、テレビショッピング等により販売する場合にあっては、前二項の規定に準じて所要の表示をしなければならない。
(カタログの必要表示事項)
第5条 事業者は、仏壇についてカタログを作成する場合は、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) 第4条第1項に規定する店頭又は展示場等における表示事項
(2) カタログの内容についての照会先
(3) カタログの作成時期
(4) 仕様変更に伴う断り書
(取扱説明書の必要表示事項等)
第6条 事業者は、仏壇を一般消費者に販売する場合は、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を取扱説明書に邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) 取扱説明書である旨及び仏壇を使用する前に必ず読むべき旨
(2) 取扱説明書を作成した事業者の住所、氏名又は名称及び電話番号
(3) 使用及び保管に関する事項
(4) アフターサービス及び苦情処理に関する事項
(5) その他必要事項
2 事業者は、仏壇を一般消費者に販売する場合は、前項の取扱説明書を交付しなければならない。
(保証書の必要表示事項)
第7条 事業者は、仏壇について保証書を作成する場合は、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) 保証書である旨
(2) 商品名
(3) 保証者の住所、氏名又は名称及び電話番号
(4) 保証期間
(5) 保証内容
(6) 無料修理等の受付窓口の住所、氏名又は名称及び電話番号
(7) 保証を受けるための手続
(8) 保証の適用除外に関する事項
(9) 保証を受けるための条件
(10) その他必要事項
(希望小売価格の表示)
第8条 製造業者等が希望小売価格を表示する場合は、施行規則で定めるところにより表示するものとする。
(仏壇本体の必要表示事項)
第9条 製造業者等又は販売業者は、自己の供給する仏壇の本体に、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる事項を邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) 商品名
(2) 原産国
(3) 製造業者等若しくは販売業者の住所、氏名又は名称及び電話番号
(広告における必要表示事項)
第10条 事業者は、一般消費者に直接販売するため、新聞、雑誌、チラシその他の広告において、仏壇に関する商品広告を行うときは、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる仏壇の種類に応じ、それぞれ当該各号に定める事項を邦文で明瞭に表示しなければならない。
(1) 金仏壇 次に掲げる事項
ア 商品名
イ 正面表面仕上げ
ウ 原産国
エ 外形寸法
オ 事業者の氏名又は名称及び住所
カ 販売価格
(2) 唐木仏壇 次に掲げる事項
ア 商品名
イ 正面表面材
ウ 原産国
エ 外形寸法
オ 事業者の氏名又は名称及び住所
カ 販売価格
(3) その他の仏壇 当該仏壇の特性に応じ、前二号のいずれかの規定を準用する。
(二重価格表示の制限)
第11条 事業者は施行規則で定めるところにより、自店販売価格に当該販売価格よりも高い他の価格(以下「比較対照価格」という。)を併記して表示(割引率又は割引額を表示する場合を含む。以下このような表示を「二重価格表示」という。)しようとする場合には、次の各号に掲げる表示をしてはならない。
(1) 最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない価格を、比較対照価格に用いること。
(2) 最近時の市価よりも高い価格を市価として比較対照価格に用いること。
(3) 既に撤廃されたメーカー希望小売価格を比較対照価格に用いること。
2 前項に定めるもののほか、事業者は、二重価格表示をする場合は「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方(平成12年6月30日公正取引委員会)」により表示しなければならない。
(特定用語の使用基準)
第12条 事業者は、仏壇の品質、取引条件等について、次の各号に掲げる用語を使用して表示する場合は、当該各号に定めるところによらなければならない。
(1) 完全を意味する用語 「完全」、「完ぺき」、「パーフェクト」、「絶対」、「100パーセント」、「万全」等全く欠けるところのない意味の用語は、施行規則で定める場合のほかは、使用してはならない。
(2) 優位性、最上級等を意味する用語 「世界一」、「日本一」、「当社だけ」、「他の追随を許さない」、「最高」、「最大」、「最高級」、「超」、「スーパー」、「極限」等最上級を意味する用語は、客観的事実に基づく具体的根拠があり、かつ、具体的数値等の事実を付記してある場合においてのみ使用することができる。
(3) 認定、推奨等を意味する用語 公共的機関その他の団体の認定、賞、推奨等を受けた旨を表示する場合は、その内容、期間及び団体名を付記しなければならない。ただし、公知のもので一般消費者に誤認されるおそれのないものにあっては、この限りでない。
(特定事項の表示基準)
第13条 事業者は、次の各号に掲げる事項について表示する場合は、当該各号に定めるところによらなければならない。
(1) 写真等と販売価格の併用 写真、イラスト等とその販売価格(希望小売価格を含む。)を同一面に表示する場合は、当該写真、イラスト等に使用した商品名とその販売価格とを対応させて明瞭に表示すること。
(2) 競合製品との比較表示 次に掲げる事項
ア 外観、取引条件等について、競合する製品との比較表示をする場合は、具体的な事実に基づく数値を用い、その根拠を明示すること。
イ 自社の既往製品との比較表示をする場合は、直近の製品との比較に限ることとし、自社製品との比較である旨及び比較対照する商品名を明示すること。
(不当表示の禁止)
第14条 事業者は、次の各号に掲げる表示をしてはならない。
(1) 第4条から前条までに規定する事項についての虚偽又は誇大な表示で、実際のものよりも優良又は有利であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(2) 特定商品にのみ適用する製造方法、仕様等による品質の向上について、あたかも他の商品のものにも適用するかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(3) 外観等の一部分の特徴等を強調することにより、あたかも全体が優良であるかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(4) 外国で製造した仏壇について、あたかも国内若しくは当該製造国以外の国で製造したものであると一般消費者に誤認されるおそれがある表示又は国内で製造した仏壇について、あたかも外国で製造したものであると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(5) 「完ぺき」、「最高級」等の用語を第12条の規定に基づかないで使用することにより、実際のものよりも優良又は有利であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(6) 自己の扱う他の商品又は自己の行う他の事業について受けた賞、推奨等を当該商品について受けたものであるかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(7) 実際に販売する仏壇と異なる他の仏壇についての絵、写真、映像等を使用し、又は品質等について著しく誇張する絵、写真、映像等を使用することにより、実際のものよりも優良であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(8) 保証書の保証事項について、実際には部分保証であるにもかかわらず、全体の保証であるかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(9) 保証書の保証期間又は保証内容が実際には個々の商品により相違があるにもかかわらず、全商品が同一の保証期間又は保証内容であるかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(10) アフターサービス及び保証書の内容について、実際のものよりも有利であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(11) 表示された販売価格では実際に購入できないにもかかわらず、あたかも当該表示された販売価格で購入できるかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(12) 実際には表示された販売価格に含まれていない付属品、サービス等について、あたかも当該表示された販売価格に含まれているかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(13) 割賦販売の表示について、頭金、支払回数、支払期間、金利、支払総額、割賦手数料等が実際のものよりも有利であるかのように一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(14) 割賦販売の表示について、実際には金利又は手数料を徴収するにもかかわらず、単に「金利、手数料なし」と表示する等、実際の割賦販売条件よりも有利であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(15) 他の事業者の営業方針、事業活動及び信用度並びに他の仏壇の品質、取引条件等について、中傷又はひぼうする表示
(16) 前各号に掲げるもののほか、仏壇の取引について実際のもの又は自己と競争関係にある他の事業者に係るものよりも優良又は有利であると一般消費者に誤認されるおそれがある表示
(おとり広告に関する表示の禁止)
第15条 事業者は、広告、チラシ等において、施行規則で定めるところにより、次の各号に掲げる表示をしてはならない。
(1) 取引の申出に係る仏壇が実際には取引することができないもの又は取引の対象となり得ないものである場合のその仏壇についての表示
(2) 取引の申出に係る仏壇が実際には取引する意思がないものである場合のその仏壇についての表示
(3) 取引の申出に係る仏壇の販売期間が著しく限定されているにもかかわらず、その限定された期間が明瞭に記載されていない場合のその仏壇についての表示
第3章 公正取引協議会
(公正取引協議会の設置)
第16条 この規約の目的を達成するため、仏壇公正取引協議会(以下「公正取引協議会」という。)を設置する。
2 公正取引協議会は、この規約に参加する事業者をもって構成する。
(公正取引協議会の事業)
第17条 公正取引協議会は、次の各号に掲げる事業を行う。
(1) この規約の周知徹底に関すること。
(2) この規約についての相談及び指導に関すること。
(3) この規約の遵守状況の調査に関すること。
(4) この規約の規定に違反する疑いがある事実の調査に関すること。
(5) この規約の規定に違反する事業者に対する措置に関すること。
(6) 一般消費者からの苦情の処理に関すること。
(7) 不当景品類及び不当表示防止法及び公正取引に関する法令の普及並びに違反防止に関すること。
(8) 関係官公庁との連絡に関すること。
(9) 会員に対する情報提供に関すること。
(10) その他この規約の施行に関すること。
(違反に対する調査)
第18条 公正取引協議会は、第4条から第15条までの規定に違反する事実があると思料するときは、関係者を招致して事情を聴取し、関係者に必要な事項を照会し、参考人から意見を求め、その他当該事実について必要な調査を行うことができる。
2 事業者は、前項の規定に基づく公正取引協議会の調査に協力しなければならない。
3 公正取引協議会は、第1項の調査に協力しない事業者に対し、当該調査に協力すべき旨を文書をもって警告し、これに従わないときは、10万円以下の違約金を課し、又は除名処分をすることができる。
(違反に対する措置)
第19条 公正取引協議会は、第4条から第15条までの規定に違反する行為があると認められるときは、その違反行為を行った事業者に対し、当該違反行為を排除するために必要な措置を採るべき旨、その違反行為と同種又は類似の違反行為を再び行ってはならない旨、その他これらに関連する事項を実施すべき旨を文書をもって警告することができる。
2 公正取引協議会は、前項の規定による警告を受けた事業者が当該警告の内容に従っていないと認めるときは、当該事業者に対し50万円以下の違約金を課し、除名処分をし、又は消費者庁長官に必要な措置を講ずるよう求めることができる。
3 公正取引協議会は、前条第3項又は前2項の規定により警告し、違約金を課し、又は除名処分をしたときは、その旨を遅滞なく文書をもって消費者庁長官に報告するものとする。
(違反に対する決定)
第20条 公正取引協議会は、第18条第3項(警告を除く。)又は前条第2項の規定による措置を採ろうとする場合には、採るべき措置の案(以下「決定案」という。)を作成し、これを当該事業者に送付するものとする。
2 前項の事業者は、決定案の送付を受けた日から10日以内に、公正取引協議会に対して文書をもって異議の申立てをすることができる。
3 公正取引協議会は、前項の異議の申立てがあった場合には、当該事業者に追加の主張及び立証の機会を与え、これらの資料に基づいて更に審理を行い、それに基づいて措置の決定を行うものとする。
4 公正取引協議会は、第2項に規定する期間中に異議の申立てがなかった場合には、速やかに決定案の内容と同趣旨の決定を行うものとする。
(規則等の制定)
第21条 公正取引協議会は、この規約の実施に関する事項について施行規則を定めることができる。
2 前項の施行規則を定め、又は変更しようとするときは、事前に公正取引委員会及び消費者庁長官の承認を受けるものとする。
3 公正取引協議会は、規約及び第1項により定めた施行規則の運用について必要があるときは、細則又は運用要領を定めることができる。
4 前項の細則又は運用要領を定め、変更し、又は廃止したときは、公正取引委員会及び消費者庁長官に届け出るものとする。
附則
この規約は、公正取引委員会及び消費者庁長官の認定の告示があった日から施行する。ただし、第4条から第10条までの規定については、告示の日から起算して1年を経過した日から施行する。