仏壇のお参りの仕方
お参りの仕方と注意点、仏壇の歴史
お参りの仕方と注意点
- お参りの仕方
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お参りは一日何回してもかまいませんが、最低でも一日一回は朝飯前に行いましょう。
朝起きて、顔を洗ったあと、お茶または水、炊きたてのご飯を供えます。
お供えがすんだら、仏壇の前に正座し、ロウソクに火をともし、ロウソクの火で線香をともし、香炉に供えます。リンを2回鳴らして、合掌礼拝します。
できれば、宗派のお経を唱えるといいでしょう。
仏壇の扉は、いつも仏さまに見守っていただけるよう、開けたままにします。ただ部屋の掃除をするときは、仏壇の扉を閉じてほこりを避けた方がよいでしょう。 - お参りの注意点
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毎日、お参りをするときに、線香やロウソクを使いますので、火には気をつけたいものです。ほんの少しの間だから、と線香やロウソクに火をつけたまま離れないようにしましょう。お参りを終えたら、火を消してから離れるようにします。
また、仏壇内の照明器具は、お参りする時だけ点灯するようにします。普段は消しておきましょう。電球を換える時は、照明器具にあった電球に換えるようにしてください。
仏壇の近くに燃えやすいものを置かないことも大切です。また、風のせいで火が燃え移ることもありますので、冷暖房の強い風が直接当たらないようにします。香炉や燭台は膳引きや経机の上に出して使用すると安全です。 - 仏壇の中に写真を飾ってもよいですか?
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仏壇は本尊と位牌を安置するところで、故人が浄土に生まれかわったからには、故人の象徴の位牌をお参りするようになります。
写真は見るものであって拝むものではありませんので、故人の写真は仏壇の中に飾らないで別の場所に置いた方がよいでしょう。
ただどうしても写真の顔を見ておまいりしたい方は、仏壇の奥に入れず、手前や横に置くようにします。 - 家庭に仏壇が二つある場合
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普通仏壇は一家に一つですが、いろいろな事情で二つある家庭もあります。
たとえば、家族の中に家代々の宗旨とは別の宗旨を信心している人がいるとか、婚家に実家の仏壇を引き取った場合などがそうです。
前者の場合は「信仰の自由」を尊重し、それぞれの部屋に置いておまいりすればよいでしょう。
後者の場合は、そのまま引き継いでいく意思があれば、二つとも続ければよいのですが、引き継ぐ意思のない時や置く場所の都合で困難な時は、奥様の実家の仏壇は整理するようになります。
一人っ子同士の結婚が増えている今の時代では、奥様の実家の位牌を一緒にまつることも、家族さえよければ問題ありません。 - 家族に不幸が出た時は仏壇の扉は閉めるもの?
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家庭に不幸が出た時は、仏壇の扉は閉めるものだという話をときどき耳にしますが、これはおそらく神道からの影響なのでしょうが仏教では異なります。
神道の世界では、死者はけがれたものという考え方があり、神棚に白い紙を張り、拝礼をしてはいけないとされています。
そしてこの白い紙は神道で喪が明ける50日祭の後はずされますが、仏教にはもともとそんな考え方はありません。
むしろ、そんな時こそ仏壇をお参りして、仏壇の中の本尊に故人の極楽浄土への導きを願います。
仏壇の歴史
- 仏壇の歴史
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日本最初の仏壇は法隆寺に所蔵されている「玉虫厨子(たまむしのずし)」でが、現在の仏壇の原型は、禅宗の寺院が位牌を祀るためにつくった位牌棚といわれています。有名な位牌棚は銀閣寺東求堂にあるもので、本尊を安置するための須弥壇と位牌を祀る位牌棚があります。これが現在の仏壇の形になったといわれています。
仏壇は「家の中のお寺」と言われるように、仏壇の内部のつくりは寺院の内陣を模しています。仏壇のなかで、本尊を安置する一段高くなった須弥壇(しゅみだん)は、仏様が住むという須弥山(しゅみせん)をあらわしています。 - 仏壇の日
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毎月27日を「仏壇の日」と、全日本宗教用具協同組合が定めています。
これは「日本書紀」の記述にもとづいて決められたものです。「日本書紀」には白鳳14年(686年)3月27日に、天武天皇が「諸國(くにぐに)の家毎に仏舎を作り、即ち仏像と経とを置きて礼拝供養せよ」という詔(みことのり)が出されたとされています。
白鳳14年3月27日から日本では、家ごとに仏壇を安置するようになったとして、この日を「仏壇の日」と定めたのです。